ルイスゴンザレスがドーピング
2008年5月26日 スポーツ・ルイスゴンザレスがドーピング
プロ野球で再びドーピング(禁止薬物使用)汚染が明らかになった。しかも震源地は「球界の盟主」を自認する巨人だった。日本プロ野球組織(NPB)は26日、巨人のルイス・ゴンザレス内野手(28)を、禁止薬物のアンフェタミンなどを使用したとして、1年間の公式戦出場停止処分とすることを発表。巨人はゴンザレスを解雇する方針を固めた。昨年8月のリック・ガトームソン投手(ソフトバンク)の違反発覚以来、NPBは改めてアンチ・ドーピング意識の徹底を目指していたが、またしても球界の認識と管理の甘さを露呈した。
巨人の清武英利球団代表は同日夜、東京都内の球団事務所で緊急会見を開いた。清武代表はゴンザレス本人に解雇を通告したと明らかにし、「選手に何度も注意を呼び掛けてきたが、このような事態になり残念。ファンの信頼を裏切り、申し訳ない」と謝罪した。球団は、清武代表と島崎雅夫国際部長をけん責処分とした。
巨人は21日夜にNPBからの通告を受けて以降、計3回にわたって、ゴンザレスから事情聴取。ゴンザレスは禁止薬物を摂取したことは否定したものの、「科学的な事実の前では抗弁できない」と話したという。
巨人は23日にゴンザレスの出場選手登録を抹消したが、理由は「左脇腹痛」だった。清武代表は「検査の途中なので試合に出せないと判断したが、一方でまだ『灰色』の段階だったのでそれを重視した」と釈明した。
清武代表によると、巨人は今季これまで3回、ミーティングで選手たちにドーピングへの注意を促した。06年からは契約書に「ドーピング違反は契約解除に値する」との文言も入れてきたという。清武代表は「疑義を持たれたらプロ野球は終わり。再発防止に万全を期したい」と苦渋の表情で語った。
一方、ゴンザレスは27日未明に球団事務所で会見し、処分に対して不服申し立てする意向を示した。
ゴンザレスは「口にするものは、リューマチの薬2種類とかみたばこ。それを検査してもらえないかと代理人に伝えた」とし、「自分の潔白を証明したい。リューマチ薬はドーピング検査の時に報告している。1年間の出場停止処分や、契約解除について見直すことができないかという気持ち」と語った。【二瓶和弥、立松敏幸、鈴木英世】(毎日新聞)
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