神姫バスが全但バスを経営統合
2008年2月23日 日常・神姫バスが全但バスを経営統合
兵庫県内バス大手の神姫バス(姫路市)は二十二日までに、但馬地区を走る全但バス(養父市)と経営統合する方針を固めた。経営悪化から大規模な路線削減計画を進める全但の経営権を神姫が取得し、傘下に収める方針。時期は二〇〇九年四月の予定。統合後も全但の社名は残す。過疎化に伴い、人口減や高齢化で全但の経営は苦境に陥っており、神姫が救済の手を差し伸べることになった。
全但は創業九十年を超す名門だが、近年、乗客減に歯止めがかからない。人口減などもあり、年間の乗客数は約二百七十万人と、一九八〇年代のピーク時の四分の一にまで落ち込んでいる。
全但の経営は厳しく、経常損益は〇五年度決算で約二億四千万円の赤字を計上。赤字は〇六年度には約二億六千万円に拡大している。県や地元自治体の補助金を受けても採算割れする構造が続いており、昨年秋、全路線の約三割にあたる二十四路線を〇八年十月に休止する経営再建計画を打ち出した。
全但は昨夏以降、神姫から役員派遣などの人的支援を受けている。路線縮小のほか、タクシーなど関連事業の売却を含む経営再建計画を神姫主導で進めてきた。
最近の燃料費の高騰も経営の圧迫に拍車を掛けていることなどから、神姫が救済することで大筋合意した。上杉雅彦・神姫バス社長は「全但の株式の半数以上を取得する」方針を明らかにしたうえで、「過疎地でもバスは大切な市民の足。長年親しまれた全但の維持に協力したい」としている。(広岡磨璃、加藤正文)(神戸新聞)
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